ローソンは稚内で“最北の挑戦”
ローソンが日本最北の地・稚内に進出したのは2023年8月1日のこと。初の2店舗(稚内栄五丁目店/こまどり五丁目店)を同時開店し、年末までに4店舗体制へ。そして2025年6月5日、さらに3店舗を一括開店し、稚内市内は7店体制にまで拡大した。
人口減・高齢化・店舗撤退が進む地域において、ローソンは「コンビニが小型スーパーの代替になる」モデルを模索している。生鮮食品の取り扱い、生活必需品の拡充、地元とのパートナーシップ――稚内での試みは、他の地方都市へ波及する可能性を秘めている。
稚内は利尻島・礼文島など道内離島への物流拠点としても重要な役割を果たしている。ローソンは、稚内を起点に離島部への配送体制を整備することで、地域物流インフラの強化にも取り組んでいる。店舗展開にとどまらない「地域支援型ネットワーク」構築の実験でもある。
道民大好きセコマが「先駆者」たるゆえん
セコマ(店舗名はセイコーマート、本社:札幌市)は、1971年にはぎなか店を札幌に開き、日本最古の現存コンビニとも言われる存在だ。会員カードの導入(2000年)、自社電子マネー「ペコマ」の開発(2004年)、道内物流網の整備、PB商品の強化――あらゆる面で全国の先を行ってきた。
とりわけ酒類の値引き販売は、業界で初めて道内で実施され、のちに大手他社も追随した。北海道という「価格感度が高く、生活密着型の土地」でこそ成立した施策といえる。
災害時対応にも強みを持つ。たとえば2018年の北海道胆振東部地震では、停電下でも営業を継続。非常用電源やLPガスを備えた店舗設計が功を奏し、「ライフライン」としての役割を果たした。地域に根ざす姿勢とインフラ的役割が、地元からの厚い信頼につながっている。
一時撤退のファミマも地元密着で復活
ファミリーマートの北海道進出は2006年。地域との共創を重視し、近年は札幌市立病院との共同開発商品(鮭マヨパンなど)や、子ども支援を目的とした「スマイルおむすびプロジェクト」を展開する。
2025年夏には、かつてのヒット商品「北海道生ビール」を復刻販売し、地元嗜好に応える施策も強化している。さらに、帯広市内の高校や上士幌高校との産学連携で、地元食材を活用したレシピ開発にも取り組む。
北海道に根を張るには、文化・味覚・人間関係を踏まえた“地元密着の再設計”が不可欠であることを示している。
