副大統領はエリート嫌いの「番犬」

副大統領のバンス氏は、過酷な家庭環境から海兵隊へ進みます。軍を退役すると奨学金が得られるので、その資金でイエール大学に入り、弁護士になりました。彼の著書『ヒルビリー・エレジー』にはそうした生い立ちがつぶさにつづられています。とても胸を打つ作品を書いた人が、どうして「トランプよりもトランプらしい」と言われるほどの振る舞いをするようになったのでしょうか。

【写真】J・D・バンス氏
J・D・バンス氏(写真=Daniel Torok/Public domain/Wikimedia Commons

彼は本を出した後、共和党から選挙に出て上院議員になりました。当初はトランプに批判的だったのですが、副大統領候補を選ぶあたりから急に支持に転じ始めたのです。トランプの懐に転がり込んで、見事、副大統領になりました。