副大統領はエリート嫌いの「番犬」

副大統領のバンス氏は、過酷な家庭環境から海兵隊へ進みます。軍を退役すると奨学金が得られるので、その資金でイエール大学に入り、弁護士になりました。彼の著書『ヒルビリー・エレジー』にはそうした生い立ちがつぶさにつづられています。とても胸を打つ作品を書いた人が、どうして「トランプよりもトランプらしい」と言われるほどの振る舞いをするようになったのでしょうか。

【写真】J・D・バンス氏
J・D・バンス氏(写真=Daniel Torok/Public domain/Wikimedia Commons

彼は本を出した後、共和党から選挙に出て上院議員になりました。当初はトランプに批判的だったのですが、副大統領候補を選ぶあたりから急に支持に転じ始めたのです。トランプの懐に転がり込んで、見事、副大統領になりました。

また、バンス氏は多様性を重視するヨーロッパにも批判的です。イギリス・ロンドンの市長はパキスタン系イギリス人でイスラム教徒のサディク・カーン氏ですが、彼に対してバンス氏は「イギリスは核を持ったイスラム教徒の国になった」などと述べていました。これに対しては、党を超えてイギリス政界から抗議の声が上がりました。