「幡ヶ谷の管理がおかしい」「トラブルが頻発している」と話を聞いて…
しかし、ある日出入り業者を通して幡ヶ谷の状況を確認する機会があった。「管理会社が幡ヶ谷と参宮橋とを兼務している時期があったんです。そこで管理人から、幡ヶ谷の管理がおかしい、と聞きました。人の出入りを異常に厳しくチェックしているとか、不動産や工事などの出入り業者とのトラブルが頻発している、と」
理事長を務めていた関係もあり、石田には幡ヶ谷に住む知人がいた。連絡をとってみると、やはり管理人から聞いたように苦しんでいると、か細い声で打ち明けられた。その実情を自分の目で確かめるべく幡ヶ谷まで足を運んだが、花や緑も少なく、無機質な印象を受けた。何よりもマンションが持つ“温度”のようなものが感じられず、そのことは、どこか石田の気持ちを沈ませた。
理事長として熱心に活動を続けてきた石田だからこそ、幡ヶ谷の状況は長らく心の奥底に引っかかっていた。しかし、区分所有者でもない人間にできることがないことも理解していた。
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