「部屋割り」ではなく「時間割り」で暮らしを再設計

私が注目したのは、限られた2部屋を“固定メンバー制”で使っていることの非効率さでした。個室を「誰かの専用」にしてしまうと、その人が不在の時間帯は空間がムダになってしまいます。特に夫の部屋は寝室を兼ねていたものの、夜間使われないこともしばしばで、家族にとって有効活用できていない状態でした。

また夫からは、「オンライン会議があるので、リビングでは集中できない」として、在宅ワークには完全個室が必要という要望がありました。一方、妻にも切実な思いがありました。「子どもたちは本当に大切。でも、ずっとリビングで一緒にいると、勉強の様子や生活態度が気になって、つい口を出してしまう。気づけば“過干渉”になっていて、子どもも私も疲れてしまうんです」