家事とケアを無視して社会を回す「資本主義というシステム」

その後、礼子は職場の「肩代わり制度」で仕事をサポートしてくれた後輩の今井尚記(松本怜生)が、愛犬の病気に悩みこっそり泣く姿を見てしまう。「これは海に降る雨だ」と感じた礼子が事情を聞くと、「弱音もグチも吐かない」人に弱い自分は見せられなかった、と言われる。

礼子は詩穂と親しくなった際、初対面のときに主婦を「絶滅危惧種」と決めつけたのは、仕事も育児も両方やると決めた自分を否定したくなくて強がった、と明かす。詩穂と中谷が距離を縮めたきっかけも、娘の病気だった。

子どもが危険にさらされたとき、気が合わないと思った大人同士が近づく展開が興味深い。このくだりで象徴されているのが、命である。子どもの命を守るために、保護者たちは連帯するのだ。