NSC(近隣型ショッピングセンター)戦略
スーパーマーケット「ゆめマート」を核に、ドラッグストアや日用品、ファッション、外食などをコンパクトに集積し、駐車場を囲むオープンモール型の設計が主流。生活動線に組み込まれやすく、短時間で買い物を済ませたい消費者ニーズにマッチしている。
NSCの核となるスーパーマーケットは、やはり「食」である。イズミは自社ブランド「zehi(ぜひ)」の展開を進めており、東北地盤のヨークベニマルの指導も受けながら、品質と提案力を高める。総菜や冷凍食品、菓子などを中心にファンが広がっており、顧客の支持も徐々に高まっている。
節約志向の高まりに応えた低価格帯のプライベートブランドも、2025年秋に投入する予定で、NSCの競争力を下支えする武器となりそうだ。イズミはPBの構成比について、10年後に食品売上の10%を目指すと明言している。
「サニー買収」で福岡攻略へ
もう一つの注目すべき戦略が、福岡商圏への本格展開だ。2024年、イイズミは西友から九州のスーパーマーケット「サニー」69店舗を取得。ゆめマート熊本を通じて事業承継を進めた。イズミにとって福岡エリアは、九州でのドミナンス強化に欠かせない戦略拠点だった。今回のM&Aにより、同社の九州売上は約1000億円規模に拡大。イオン九州などと並び、地域経済に対する影響力が一段と高まった。
もっとも、2025年2月期においては、システム移行や原価管理の難しさ、想定外のコスト発生などから「創業赤字」でのスタートとなった。だがイズミはこれを想定内とし、中長期での利益創出に向けて足場を築く構えだ。2025年度は営業利益27億円、将来的には55億円規模の収益事業に育てる構想を描く。
「福岡はアジアの玄関口。ゆくゆくは海外にも挑戦したい」と、山西泰明会長は夢を語る。NSCの成功モデルと九州でのドミナンスが、海外展開の布石になると期待されている。


