ドラッグストアVSコンビニの攻防戦
この間、コンビニエンスストア業界は、一般用医薬品の販売規制緩和を強く求め続けてきた。コンビニ店頭でも風邪薬や目薬などのOTC薬を販売できるようにすることは、消費者の利便性を高めるという大義名分があった。一方で、ドラッグストア業界はこの動きに強く反発し、「対面販売の原則」「専門知識に基づく説明責任」などを掲げて、制度の緩和に歯止めをかけてきた経緯がある。
結果として、現在でもOTC医薬品の販売には薬剤師または登録販売者の常駐が必要とされており、ドラッグストア業界は自らの権益を巧みに守ってきたといえる。これは、生活者の健康を守るという建前と、ビジネスとしての競争優位性を両立させる戦略的対応だった。
そして現在、ドラッグストアは医療・介護・予防・日常生活支援までを担う「地域包括ケア」(医療・介護・予防・生活支援などを地域で一体的に提供する体制)の一翼を担う存在として、その役割を拡大している。
高齢化社会の進展で成長追い風
なぜドラッグストアがここまで成長できたのか。最大の理由は、高齢化社会との親和性だ。徒歩圏内にある中・小型店舗が中心のドラッグストアは、高齢者にとって通いやすい。そうした社会インフラであるとともに、医薬品、調剤、食品、日用品、美容関連までそろう“ワンストップショッピング”が可能な業態は、他に例がない。
商品カテゴリー別の売上を見ると、処方せん調剤(前年度比8.4%増の1兆5205億円)、食品(同13.2%増の2兆8329億円)がいずれも大きく伸びており、とくに食品は3兆円に迫る規模で、売上構成比の28.2%を占める。セルフメディケーション(軽度な体調不良などを市販薬で自ら対応すること)から日常の買い物まで1カ所で済ませたいというニーズを的確にとらえている。
