投資で失敗しないためには何に気をつければいいか。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「『投資教育』を受けていない人がほとんどなのに、不安に駆られて投資を始め、大損しているというのが現実である。なんとなく株を買ったり、新NISAを始めたりしたらカモにされるだけだ」という――。

※本稿は、荻原博子『65歳からは、お金の心配をやめなさい』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

紙とボールペンを渡される夫婦
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「投資をしないと豊かな生活を過ごせない」は本当か

いま、日本では、国をあげて「投資をしよう」の大合唱になっています。

「投資は儲かる」という話を専門家から聞いたり、「過去最高の株価」とテレビで報じられたりしたら、「投資」をしないと損をするのではないかと、不安になるのも無理はないでしょう。

けれど私は、必ずしも投資が儲かるとは思っていません。

実際、私のまわりには「投資さえしなければ、明るい老後が迎えられたのに……」と悔やむ人が、意外と多いからです。

はっきり言って、いまの相場は、素人がラクに儲けられるような環境ではなくなっています。しかも、皆さんが「投資の常識」として教え込まれていることが、まったく通用しなくなっているのです。

ところが、国をあげて「投資」を勧めるものだから、「国が言う『投資の常識』に従えばいい」という風潮になっています。

私からすれば、いまの「投資の常識」は、そうとうおかしいのに。

「投資の常識」について語る前に、皆さんに知っておいてほしいことがあります。

投資で成功するには、それなりの「投資環境」と個人の「投資センス」が必要だということです。

ではこれからから、「投資環境」と「投資センス」という2つの視点で、いまのマーケットを見ていきましょう。

「投資は儲かる」なんて言葉を
信用してはダメ!