継続に必要なのは「次回予告」

レッスンに通ってもらう企業側の立場であれば、レッスンの最中に「これは次にやるテーマなんですが……」などという形で、次回の内容を「ちょい見せ」しておくといいでしょう。それが次回予約や次回の予定を決める行動につながり、継続して通うモチベーションになります。

橋本之克『世界は行動経済学でできている』(アスコム)
橋本之克『世界は行動経済学でできている』(アスコム)

仕事においても、相手先への訪問時などに次回の提案内容を少しだけ話しておいたり、次回の約束を取り付けておいたりすると、関係性を継続していくことにつながるでしょう。

また、他の人に新たな仕事を頼むときに、最初の作業だけ一緒に行うのも有効です。相手も一人でゼロから始めるより、取りかかりやすくなるでしょう。

恋愛でも、一度のデートで終了しないためには、「次はここに行ってみようか? いつにする?」という、関係を途切れさせないような話ができるといいかもしれませんね(もちろん、相手次第ではありますが)。

テレビなどの連続ドラマの最後で流れる、思わせぶりなシーンばかりの次回予告も、視聴を継続させるための手法です。次につながるような「気になる」ことをつくるのが、継続のためには、とても重要だということです。

橋本 之克(はしもと・ゆきかつ)
マーケティング&ブランディングディレクター

昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。東京工業大学工学部社会工学科卒業後、大手広告代理店を経て1995年、日本総合研究所入社。1998年、アサツーディ・ケイ入社後、戦略プランナーとして金融・不動産・環境エネルギー業界等多様な業界で顧客獲得業務を実施。2019年、独立。現在は行動経済学を活用したマーケティングやブランディング戦略のコンサルタント、企業研修や講演の講師、著述家として活動中。著書に『9割の人間は行動経済学のカモである 非合理な心をつかみ、合理的に顧客を動かす』『9割の損は行動経済学でサケられる 非合理な行動を避け、幸福な人間に変わる』(ともに経済界)、『世界最前線の研究でわかる! スゴい! 行動経済学』(総合法令出版)、『モノは感情に売れ!』(PHP研究所)などがある。