
“キリよく終わらせる”ことの落とし穴
みなさんは、1日の仕事を始めるとき、あるいはお昼などの休憩後のタイミングで、すぐに「よしやるぞ!」「今日も(午後も)がんばろう!」というスタートダッシュを切ることができますか?
また、1日の仕事を終えるとき、あるいはお昼休みなどの休憩を取る直前、「キリのいいところまでやってしまおう」「この作業を終わらせてから帰ろう(あるいは休憩しよう)」と考えたりしないでしょうか?
行動経済学には、「オヴシアンキーナー効果」という心理効果があります。これは、一度始めたものは未完成で中断したままではなく、完了するまでやりたくなる、コンプリートしたくなるという心理です。みなさんが行う作業が、「一度完結したら、二度とやらずに済むもの」であれば、この心理をうまく使い、勢いをつけて完了まで進めばいいでしょう。
ところが、日常の仕事や作業は、「一度だけ」「今日だけ」ではなく、毎日、あるいは何週間、何カ月、場合によっては何年も続けて取り組まなければならないものが多くあります。そうなると必ずどこかで「仕事の区切り」が生まれます。
仕事を区切りの良いところで終わらせて、「午前中の仕事は終わった!」「今日の分の仕事をやりきった!」というスッキリした気持ちで休憩に入ったり帰路についたりすると、気分的にも落ち着きますし、生産性も上がる気がしますよね。しかし、実はここに落とし穴があります。