進捗がわかると、やる気が出る
どこまで進んでいるのかが可視化されたとき、思っていたよりも進んでいると感じると、やる気が出てきます。この点を上手に利用しているのが、学習アプリやアンケート、ネット上の会員登録などで使用されている「プログレスバー」です。
「プログレスバー」とは、タスクやワークの進み具合を可視化して、現在どのあたりにいるのかを示したもの。あと少しで完了だとわかると、そのタスクやワークを最後までやり遂げられる可能性が高まります。

ネット上の会員登録などでは、項目が多かったりすると、途中で入力するのが面倒になって離脱してしまう顧客がいますが、入力のスタート時点で、以前に入力した名前などが自動的に書き込まれ、プログレスバーが少し進んだ状態になっていれば離脱の可能性は格段に下がるのです。
「エンダウド・プログレス効果」は、さまざまな場面で「初期の行動を勢いづける」ために活用できます。本記事の冒頭の仕事の例であれば、ちょうどいい切れ目や区切りの良いところで仕事をやめるのではなく、わずかでもいいので次の仕事に取りかかっておくということですね。
仕事は「中途半端に終わらす」ほうがいい
「キリのいいところ」ではなく、あえて「中途半端なところ」までやっておくわけです。仕事Aと仕事Bをやらなければいけない場合、仕事Aが終わってすっきりした気分で昼休みに入るのではなく、5分だけでも仕事Bに取りかかってから休憩をしましょう。それだけでまったくのゼロ状態から仕事Bを始めるよりもモチベーションが高まり、休憩から戻ってからもスムーズに仕事に取り組めるというわけです。

この方法は、1日の終わりにも使えます。明日すべき仕事に少しだけ取りかかっておくことによって、翌日の朝、スムーズなスタートダッシュを決められます。
次の仕事に取りかかるのが難しい場合は、次回やるべきことを「タスクメモ」的にまとめておくだけでもいいでしょう。あるいは最低限、次の仕事の概要をざっと把握しておくだけでも違いが出るでしょう。
仕事以外では、例えばスポーツジムや英会話などの習い事でも使えます。最初はやる気まんまんだったのに、だんだん面倒になって腰が重くなり、いつの間にか通うのをやめてしまった……という状態を防ぐためには、その日のレッスンが終わるときに次回の予約をしておくのです。