なぜメディアは「東大進学」と決めつけたのか

明らかに秋篠宮夫妻は東大一辺倒ではなくなっていたにもかかわらず、メディアは自分たちが作り上げた「東大進学神話」に固執し続けたのだ。そのため、悠仁さんが筑波大学で11月28日と29日に実施された推薦入試を受験しに来ることを予想していなかったようだった。

それは皇室情報に強い女性自身(12月17日号)でさえ、当日、悠仁さんが筑波大の推薦入試を受けているという情報が入り、「本誌が茨城県つくば市に急行すると、大学の門の前には複数のテレビ局のカメラをかまえたクルーたちが……」と書いていることからも窺える。

私には、筑波大学附属高校に入学した時点で、筑波大へ進学するほうが自然なような気がしていたのだが、なぜ、メディアはこうまでも「悠仁さんは東大進学」と決めつけてしまったのだろうか。

たしかに筑附には筑波大への内部進学枠はない。そのため入試試験を受けなくてはならないが、それは東大でも同じことだ。

だが、メディア側には、あの紀子さんならそう考えるのではないかという強い思い込みがあったのではないだろうか。

紀子さんと雅子さんの対比から生まれた?

何かと比較される皇后雅子さんはハーバード大学と東大法学部(中退して外務省入省)という経歴で、長女の愛子さんも「東大に合格できる学力がある」といわれていた。紀子さんとしては、対抗意識から長男を東大に入れて「初の東大卒の天皇」にしたいという強い願望を持っているのではないか。

いや、紀子さんならやり遂げるのではないか。そのために東大への進学率が高い筑附に入れたに違いない。それに有識者たちも加わり、東大是非論がメディアで真剣に議論されるようになっていったのである。

だが、秋篠宮も紀子さんも、これまで一度も東大などと口に出してはいなかった。すべて、メディア側の作りだした“虚構”ではなかったのか。

元皇室記者で成城大の森暢平教授は、悠仁さんの「東大志望説」はまったくのフェイクニュースだったと厳しく批判している(サンデー毎日12月29日号)。

森教授によれば、早いうちから東大進学説を唱えたのは悠仁さんがまだ幼稚園生のときの週刊朝日(2012年9月21日号)だったという。タイトルは「『脱・学習院』で目指せ東大⁉」。女性セブン(2013年9月26日号)でも、紀子さんが「学業を究めて東大農学部に進学してほしいなんて夢もお持ち」と報じた。

悠仁さんが筑附に進学してからはさらに“憶測”は強固なものになっていった。