スポーツ現場でいまなお続く「指導」という名の暴力

ご存じの方もいるだろうが、日本体育協会(現・日本スポーツ協会)などの5団体が、2013年に「スポーツ界における暴力行為根絶宣言」をした。以降、暴力行為防止への啓発がさかんに行われている。にもかかわらず、今年の7月には思わず目を覆いたくなるほどの凄惨な事件が起きた。

滋賀県近江八幡市を拠点に活動する野球チームの40代の指導者が、12歳の中学生の顔を何度も殴り、顔や胸を足で踏みつけた。別の中学生にも包丁を突きつけて「お前ほんまに刺すぞ」と脅迫したなどとして、逮捕・起訴されたのである。殴られた中学生の顔は変形するほどに腫れ上がり、頬にはミミズ腫れができていたという(NHK大津放送局 滋賀WEBノート「野球指導者が子供に暴行 スポーツでの暴力なぜなくならない?」 2024年9月5日)。