未開封の「段ボール」が詰まれた家も…
●段ボール箱
最近お伺いした片付かない家の玄関で、よく目にしたのが段ボール箱です。空の段ボール箱だけでなく、未開封のまま放置されているものも。サブスクで届いた食品やネットショップで注文した本などが、玄関先や靴箱の上に積み上げられています。必要なものなら、すぐに開けて使っているはずですから、開いていないということは、不要なものまで買っているということ。注文することで満足してしまっている、浪費癖が現れています。未開封のものを合わせて計数万円、それで「お金がない」などと言う人は少なくないのです。
●趣味や習い事、遊びの道具
釣り竿やゴルフバッグ、アウトドアグッズなど、ご主人の趣味と思われるもの。子どものサッカーや野球などの習い事の道具。小さい子供が外で遊ぶ砂場のおもちゃ。玄関先にこれらのものがあふれている家には、お金が貯まりません。ものが多いこと自体が支出の多い証拠ですし、それらを管理できなければ壊れたり、なくしたりするので、さらに支出が増えます。
●家や自転車の鍵
靴箱の上に、家や自転車の鍵がゴチャゴチャと置いてある家は危険。うちの子どもたちもそうでしたが、適当に置いては「鍵がない!」と大騒ぎになるのです。鍵を探している間に、無駄な時間が過ぎていきます。それで遅刻しそうになって、バスに間に合わなくてタクシーを使う。自転車の鍵が見つからないと、やはりタクシーを使う……など。鍵の管理ができないと、お金のむだにつながっていくのです。
●枯れた観葉植物
玄関先に枯れた観葉植物が置きっぱなしになっている家も、ものの管理ができていないといえます。ものの管理ができない人は、お金の管理もできません。
●郵便物
ポストが郵便物でいっぱい……というケースもお金に紐づいています。届いた郵便物に請求書が含まれていて、その支払いを忘れていたことで、延滞料を支払ったという話は片づかない家の人からよく聞く話。むだとしかいいようのないお金です。
玄関が「すぐに散らかりやすい」場所である理由
しかし、片づけても片づけても、すぐに散らかるのが玄関。なぜ、きれいな状態をキープできないのかというと、玄関は家族みんなが使うパブリックスペースだからです。
ですから、靴を減らしてもらう、道具は別の場所に収納してもらう、と家族一人ひとりが、それぞれに管理する責任があると、共通認識を持つことが大事です。
そのためにおすすめの方法は、玄関の写真を撮り、家族に見せながら「これでどう思う?」「どんな感じで『ただいま』って言いたい?」などと聞いてみること。玄関を開けて、入ってくるところから動画を撮ってみるのもいいですね。そうすると、どんな玄関だったら帰りたくなるか、ということが見えてきます。
「帰りたくなる玄関」は、ドアを開けた瞬間に気持ちがいい空間です。
イコール物にあふれた空間ではなく、きっとスッキリとした清潔な空間をイメージする人が多いでしょう。靴やビニール傘のほか、玄関を上がったところに年季の入った玄関マットを敷いている人は、取りかえるなり、処分するなりして見直しましょう。玄関マットを敷くこと自体は問題はありませんが、下にほこりがたまるなど実は管理が難しいので、私は掃除がしやすいように敷いていません。
また玄関マットのまわりにスリッパが散乱しているなら、きちんとスリッパケースにしまいましょう。