預貯金口座を複数所有している人は多い。入れてある貯金をほったらかしのままでいると、思わぬ大損をするケースがある。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「口座をほったらかして国庫に入ってしまうお金は、令和3〜5年で800億にも上っている」という――。
「郵貯」というニュースの見出し
写真=iStock.com/y-studio
※写真はイメージです

郵便局に預けていた貯金が没収されるかも

最近、郵便局が貯金の「権利消滅」のCMを流していますが、ご存じでしょうか。同時に、新聞やネットなどでも盛んに「権利消滅」の注意喚起を行っています。

【図表1】令和6年度 権利消滅に関する広報「新聞広告」
【図表2】令和6年度 権利消滅に関する広報「インターネット広告」

「権利消滅」とは、自分が貯めてきた「郵便貯金」を払い戻しできる・返還請求できる権利がなくなるということ。注意喚起を無視してそのまま放っておくと、文字どおり権利が消滅して、お金は国に没収されてしまうので大損です。

こう聞くと、「それって“休眠口座”のことでしょう?」と思うかもしれません。けれど、「休眠口座」のお金は請求すれば戻ってきますが、それとは違って、国に没収されてしまうタイプの「貯金」があるのです。