悪口を言うことで自分が何かした気になっている
先に「彼らを反面教師として、勉強の機会と割り切る」と述べましたが、具体的にはどんなことができるのか。1つ例を挙げてみましょう。
ネガティブなことや悪口を言う彼らは、一体何のためにそうしているのか。
共通の敵をつくり、一緒に攻撃することで協力し合っていることには触れましたが、ここでは述べるのは別の理由です。
批判めいたことを言う彼らは、周囲の人や物事を批判することで、「何か意味のあることをしている」と勘違いしています。
彼らは、誰かがしたこと、誰かがつくり上げたものなど、それが何であっても他人がしたことの粗探しをして、自分はこう思う、自分ならこうするという考えを口にすることで、自分自身が何かをした気になっているのです。
何であれ、わるい点を指摘するほど簡単なことはないのですが、ネガティブな人たちは、ネガティブなことを言うことには意味があると思っています。
彼らから学ぶとすれば、まずは私たちも同じ行いをしていないか、自分の言動を確かめてみることでしょう。
「うわ~、この人の言ってること、自分も言ってるかもしれないぞ」「批判をして何かした気になっているかもしれない」と気づくことがあれば、まさに勉強の機会だったと捉えることができるでしょう。
もともとグローバル人材育成を専門とする経営コンサルタントだが、近年は会社組織などに存在する「ハラスメントの行為者」のカウンセラーとしての業務が増加中。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では、非常勤講師としてコミュニケーションに関連した科目を受け持っている。著書に『好きになられる能力 ライカビリティ』(光文社)『英語で学ぶトヨタ生産方式』(研究社)『英語で仕事をしたい人の必修14講』(慶應義塾大学出版会)など多数。