WBCで注目を集めたのは、プレーでもルックスでもなく…

イさんの言葉通り、初めて韓国人に大谷選手の存在を意識させたのは、韓国メディアが「大谷のための、大谷による、大谷の大会」と評価したWBC大会だった。韓国の主要紙は大会MVPを獲得した大谷選手の活躍ぶりを報道。同時に、彼が見せた人柄とリーダーシップについても大きく扱った。

〈「(プレーだけでなく)オオタニの人柄も大会中ずっと関心を集めていた。ファンと仲間の選手たちに笑顔で接し、ボールボーイの頭を撫でてあげていた」(東亜日報 23年3月23日)

「オオタニはMVP受賞後、『日本代表選手たちと一緒にできて楽しかった』と代表チームへの愛情を示した。 それとともに、『日本だけじゃなくて、韓国も台湾も中国もその他の国も、もっともっと野球を大好きになってもらえるように、その一歩として優勝できたことがよかった』とし、他国の選手たちの心も慮った」(韓国日報 2023年3月24日)〉

こうして、韓国における“大谷神話”が始まった。2023年12月、ドジャースへの移籍が決まるとその注目度はさらに高まっていく。