結婚や出産だけが女性の幸せなのか

この連載は、私と同じような独身女性たちの疑問や不安を解消するためのものである。PRESIDENT WOMAN Onlineのメールマガジンにてアンケートを実施し、独身女性483名からの回答が得られた。そのなかで、自分が結婚していないことに関しては、「よかったと思っている」(25.7%)、「後悔している」(13.0%)、「何も思わない」(61.3%))いう結果となっている。実感として「よかったと思っている」と回答した方が少ないように思う。皆、どのような結婚観を持っているのだろうか。

アンケート回答者のなかから取材可能の方にインタビューをしながら、その理由や結婚観、自身の幸せについて追及していきたい。果たして、結婚や出産だけが女性にとっての幸せなのだろうか? 結婚や出産をしなかったとして、一人前の大人になれないのだろうか? 私はまったくそう考えていない。

「将来、結婚するのか? したいのか?」という、誰しもが必ず考えたことのある問題を通じて、人生や将来を見つめ直し、深く考えるきっかけとしたい。

つながったウェディングリング
写真=iStock.com/AbelBrata
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結婚をしなくてよくなったので、気持ちが楽になった

2023年、婚姻数が90年ぶりに50万組を割る結果となった(厚生労働省『人口動態統計速報(令和5年12月分)』)。新型コロナウイルス禍の影響や経済的な理由が大きい。「結婚したい」と考えている人が、なかなか結婚までたどり着けない要因は、感覚的にも身に覚えがある。また、未婚化・晩婚化が進み、生活が多様になりつつあることに加え、「結婚は、してもしなくてもいいもの」と捉える方が体感として多くなったことも理由のひとつとして考えられるだろう。

50代前半・長崎県在住、セラピストとして働くKさんもそのひとりだ。現在自身が結婚していないことに対して「自分がしたくないことをしなくてよくなったので、気持ちが楽になった」という。

もともと、結婚願望が特別強かったわけではない。ただ、好きな人と一緒にいるための方法として、結婚ができればいいと思っていた。出産や子育てに対しても、特に希望はない。昔から自分が子どもを育てているイメージを持てなかったそうだ。

子どもは好きだ。親戚や友だちの子どもを見ていると、素直にかわいいとは思う。でも、自ら育てるとなると責任が伴う。幼少期から動物が好きで保護活動にも参加しているが、飼育を放棄された犬や怪我をした猫を見て胸を痛めることも多々あった。

もし、自分に子どもがいたとして、交通事故や事件に巻き込まれたらどうするのだろう。動物相手でさえ、これだけショックを受けるのだから、我が子に何かあったら精神的に耐えられない。将来的に、子どもはいなくてもいいと強く思った。