救助要請コピペで被災地は大混乱

「母親と娘が下敷きになっています。誰か助けてください」という旨の石川県の住所を付けた救助要請投稿は、2000万以上のインプレッションとなっている。通報が殺到した結果、無事に救助されたようだ。しかし、これも外国人ユーザーたちが自分の投稿としてコピペ投稿を繰り返した。中には、日本人ユーザーも混じっている。

「生き埋め助けて 妻だけでも」――。石川県の住所からポストされたこの投稿は、電話がつながらない中、救助を求めて必死に投稿されたものだ。その後、助かるまでの様子や現状などの報告もされており、非常に生々しく痛々しい。この投稿でさえも、コピペして自分の投稿としてポストするユーザーがいる。

救助要請をコピペ投稿していたある日本人ユーザーは、他のユーザーから責められて、「住所はそのままポストしているのだから問題ないはず。むしろ役に立ったのでは」と言い訳をしていた。

しかし、このようなポストは救助後も拡散され続け、複数のユーザーから同じ通報が寄せられ続けることにもなる。通報が来たら警察や消防も対応しないわけにはいかず、限られたリソースが本当に救助が必要な人のもとに届かない原因にもなってしまう。

有名人のアカウントは「混沌状態」に

意味のないリプライが急増した背景には、2023年7月に開始したXでの収益化プログラムの影響が大きいと言われている。Xでは、フォロワー数500人以上、3カ月以内のインプレッション数が500万件以上などの条件を満たすと、広告利益の一部を得られるようになった。

その直後から、フォロワーが多い著名人のアカウントに外国人ユーザーが集まるようになった。たとえば、フォロワー数770万人超の有吉弘行氏は、2023年9月に「コメント欄は謎の外国人で荒れています。ブロックはあきらめました。混沌こんとん状態をお楽しみください。」と投稿している。

外国人ユーザーたちは投稿と無関係なリプライを付けており、有吉氏の熱心なファンというわけでもなさそうだ。意味のない英文コメントや絵文字などを連投したり、宣伝を投稿したり、日本人ユーザーのリプライをコピペ投稿している例もある。プログラムで自動投稿している例も多いようだ。

インプレッションを稼ぎたい外国人ユーザーたちが、人目につこうとフォロワー数の多いユーザーや投稿にリプライを繰り返すことで、荒れた状態となっていたというわけだ。