「キャラ変」スキルが鍵を握る

実際に、心理学的にも、複数の人格(ペルソナ)を使い分けることが人間関係におけるストレスを軽減するとされています。

たとえば、「本来の自分は、明るくておしゃべりな人間だけれど、自分が所属しているお茶のサークルでは、そういう人間は求められていないから、少し静かめのキャラでいこう」などと自分の人格を使い分けることで、帰属する場ごとに、そこにいる人たちとの間で生じるストレスが軽減され、相手も自分も居心地がよくなるのです。

SNSの発達で、キャラクターのスイッチングをする必要に迫られ、「サブ垢」「裏垢」「趣味垢」「ヲタ垢」(筆者註:「垢」は「アカウント」をあらわすネットスラングの略称)など、多くの人が当たり前のように人格を使い分けるようになってきています。現代を生きる私たちはいまや、いわゆる「キャラ変」をその瞬間瞬間に絶え間なく行うようになっているのです。

逆に、キャラクターを上手に使いこなせる人は、いまではストレスから解放された居心地のよい生き方ができるようになっています。

自分の性格を知り、性格に合った行動を

その一方で、近年、仕事でもプライベートでも、情報過多のため処理(対応)し切れなくなっている人を多く見かけるようになりました。いわば、「脳内キャッシュ」がいっぱいになって「フリーズ」してしまうのです。

木原誠太郎『新ディグラム性格診断 9タイプが解き明かすあなたの真実』(プレジデント社)
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そういう人に、たとえば「キャッシュをクリアするために“旅行”でも行ったら?」と声をかけるのですが、「計画を立てる余裕すらない」と答える人がよくいます。

旅行は実は、いっぱいになった「脳内キャッシュ」のクリアに効果的なだけでなく、「自分は何者か」「自分は何をしたいのか」などと、自分を見つめ直すよいきっかけにもなります。

そこで、「余裕がない」と答える人には、代わりに「性格診断」をすることをおすすめしています。

実は「性格診断」には、後者の面で旅行と同等の効果があると考えられるからです。