フリーライターの西本加奈さん(仮名、37歳)は、2年前に15歳年上の離婚歴がある男性と結婚した。前職のシステム会社の同僚で、西本さんが転職するときは応援してくれ、現在の仕事も面白がってくれ、忙しいときは家事を引き受けてくれる。穏やかで優しい男性だ。
「私は男性に養ってもらおうとは思わないので、好きなようにやらせてくれる相手がいい。同世代の男性と結婚した友達は『どうしても張り合ってしまう。家に男は2人いらない!』と嘆いている」
ちなみに彼の最終学歴は「大東亜帝国レベルの大学を中退」。ただし、彼自身がコンプレックスを持っていないので何の問題も感じていない。
西本さんとは対照的に、「仕事に疲れたから家庭に入りたい」という志向で比較的経済力のある年上男性を選ぶ人もいる。だが、それはハイリスクだと諸富さんは指摘する。
「35歳と45歳を比べたら後者のほうが給与が高いのは当たり前です。お金で相手を見るならば、年収だけでなく貯金額もちゃんとチェックすべき。それでもインフレリスクは回避できませんが」
ブームの様相を呈する「年の差婚」の真価は、5年後10年後に表れるはずだ。
お見合いや職場結婚が少なくなっている現代では、同世代と出会う場として学校がクローズアップされる。冒頭の笠原さんのように同じ大学出身であれば、家庭内で学歴コンプレックスを感じることもなくなる。
偏差値では大東亜帝国クラスに属するものの、高い結婚力を誇る「お買い得大学」が東京郊外にある。幼稚園から大学までを抱える某学園は、他校と距離が遠いこともあり一体感の強い校風で知られる。学校関係者によれば、40人のクラスで2組ほどカップルが生まれる。単純計算でも1割が学内結婚を果たしている。