ビジネスパーソンのパフォーマンスを上げる最強の食品とは何か。長友佑都、高橋大輔、荒川静香など各界のトップアスリートをサポートしてきた栄養学士の石川三知さんは「アーモンドをつまむのがおすすめ。脳内の情報伝達機能を高め、リラックス効果もある。ただし、選び方と摂取量がポイント」という――。学びのサイト「プレジデントオンラインアカデミー」の好評連載より、第1話をお届けします。

※本稿は、プレジデントオンラインアカデミーの連載『集中力が上がる、パワーがみなぎる、病気にならない カリスマ栄養士が教える「最強の食品」20』の第1話を再編集したものです。

脳内の「神経伝達物質」を作り出す栄養素が豊富

あなたが組織のマネージャーだとしましょう。新プロジェクトの予算やチームメンバーを決めるとき、部下から提案された渾身の企画を採用するか否かを決めるときなど、なかなか決断できないことがあります。タイムリミットが迫っているのに、決め手に欠け、考えがまとまらないまま時間だけがジリジリと過ぎていく……。そんな状況に陥ったら、気分転換に「アーモンド」をつまんでみましょう。2つの効果が期待できます。

ひとつは、脳内の「神経伝達物質」を作り出し、脳の情報伝達機能を高めて頭の中をすっきりさせる効果です。

私たちの脳の中には1000億個もの神経細胞(ニューロン)があり、神経細胞と神経細胞の間にあるシナプスという接続部を通して情報の伝達が行われています。しかし、シナプスにはわずかなすき間があるため、そのままでは情報をほかの神経細胞に伝えることはできません。そこで活躍するのが、情報の受け渡し役を担う神経伝達物質です。神経伝達物質はニューロンの中で作られます。

アーモンドには、この神経伝達物質であるアセチルコリンの原料となるレシチンが豊富。さらに、神経伝達物質をスムーズに放出するために必要なマグネシウムやカルシウム、マンガン、亜鉛などのミネラルが多く含まれています。

マグネシウムやカルシウムが不足すると、「まぶたの下のピクピク」や「こむらがえり」を起こしやすくなります。これらの原因は、情報がきちんと伝わらないことによる神経の誤作動。これらの誤動作は自分の意思で止めることができません。こうした症状を予防したい場合にもアーモンドは効果的なのです。

アーモンド。神経伝達物質であるアセチルコリンの原料となるレシチンが豊富。さらに、神経伝達物質をスムーズに放出するために必要なマグネシウムやカルシウム、マンガン、亜鉛などのミネラルが多く含まれている。
撮影=榊智朗
アーモンド。神経伝達物質であるアセチルコリンの原料となるレシチンが豊富。さらに、神経伝達物質をスムーズに放出するために必要なマグネシウムやカルシウム、マンガン、亜鉛などのミネラルが多く含まれている。