結果を出せるチームをつくるにはどうすればいいのか。ビジネスプロデューサーの山川隆義氏は「半径3メートルにいる人材でどうにかしようと考えるのはもったいない。会社全体のリソースを使ってできることを考えるのが重要だ」という――。
※本稿は、山川隆義『瞬考 メカニズムを捉え、仮説を一瞬ではじき出す』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
BTSの曲は世界中の作曲家たちが複数でつくりあげている
かつての曲作りは、作詞家と作曲家の二人がいればそれでよかった。
シンガーソングライターに至っては、一人で全部やる。
日本においては、作詞印税3%、作曲印税3%、歌唱印税1%が大体相場なので、シンガーソングライターは7%の印税が入る。
昔は、レコードやCDがヒットすれば100万枚単位で売れたので、凄まじい印税収入になったわけだが、かつてほどCDが売れなくなった今ではそうでもないはずだ。
よって、なるべく少人数で制作したほうがよいというのが、日本の発想かもしれないが、K−POPではまったく異なる。
K−POPの曲作りは、下手すると10人くらいが関わっている。
BTSが新たな曲を作るとなると、世界中からメロディーメーカー、トラックメイカー、作詞家が集まってくる。
BTSという魅力的な池に、我先に飛び込んでくるのだ。
そのため、著作者としてクレジットされていても、二小節だけ担当、四小節だけ担当などの著作者も存在すると言われている。
10人もいると取り分が少なくなりそうだが、彼らの場合は市場が世界であり、凄まじく売れるので、まったく問題ない。世界中のトップクラスの作詞家、作曲家が参加して作り上げるわけだから、当然素晴らしい曲ができあがる。