参加者全員で課題や事例を共有

講演後には質疑応答が行われ、続いてグループディスカッションが始まりました。対面形式での参加者とオンラインでの参加者の2組に分かれ、和田さんと木下編集長も両方に代わる代わる参加。約40分間にわたって皆で意見を交換しました。

男性育休の取得にあたっては職種や業界ごとに異なる課題があるようで、「営業職は属人化が進んでいるため取りたくても取れないケースが多い」「技術職では、自分のスキルを他の人に引き継ぐと戻る場所がなくなるから取りたくないという人が多い」「店舗の責任者が休むと近隣店舗から同じ責任者格の人を呼ぶ必要がある」などの意見が出ました。

「取得者のインタビュー動画を社内公開しているが、社員の心に響いていないように感じる」といった、施策に関する相談も。こうした課題感を皆で共有するとともに、和田さんや木下編集長が経験に基づいたアドバイスやエールを送る場面もありました。

また、ある企業の人事担当者は自社の取り組み事例を共有。Web社内報で男性の育休取得者とその職場メンバーの体験談を公開する、上司から取得者に仕事と育児の両立に関するハンドブックを渡すなどの取り組みを実施しており、効果を上げているそうです。

「人事・ダイバーシティの会では、今後も女性活躍やダイバーシティ推進に役立つ情報を発信していきます。女性リーダーが特別ではない社会を目指して、共に頑張っていきましょう」と木下編集長。参加者が抱える悩みや課題の解決に向けて、同会の取り組みは続きます。

「人事・ダイバーシティの会」第6回研究会の様子
撮影=小林久井(近藤スタジオ)
「人事・ダイバーシティの会」第6回研究会の様子
撮影=小林久井(近藤スタジオ)

構成=辻村洋子

和田 武訓(わだ・たけのり)
サイボウズ チームワーク総研 所長

早稲田大学理工学部卒業。2009年、サイボウズに新卒入社。Webサービス企業へ転職したのち、2013年サイボウズに再入社。営業部門やマーケティング戦略担当、チームワーク総研の統括ディレクターなどを経て、2022年より現職。

木下 明子(きのした・あきこ)
プレジデント ウーマン編集長