数字の「7」姿勢では食事や外出もしにくくなる

首下がり症候群は、本人や家族などまわりの人が気づかないうちに少しずつ進行し、そしてある日突然「完全に頭が下がってしまい、上げることができなくなる」という状態になってしまいます。

首が完全に下がってしまい、数字の「7」のような姿勢になってしまうと、日常生活を送るのは困難です。物を食べることも水を飲むことも、スムーズにできないし、ひとりで外出することも難しくなってしまいます。治療をせず放置を続けていると、首の後ろの筋組織が壊死して線維組織(膠原組織)に置き換わってしまい、回復できなくなってしまいます。この段階に至ると、もうリハビリなどの保存的治療は困難になってしまいます。

だからこそ、首下がり症候群は早期治療が重要なのです。

そのためにはまず「首下がり症候群」のことを知っていただく必要があります。頭が上がりにくい、うつむき姿勢が多くなったという自覚症状があっても、それが「首下がり症候群」とつながらなければ、早期治療のチャンスを逃しかねません。

「首下がり症候群」の原因と対策を知ることで、首下がり症状をよくしていくことができます。

首下がり症候群が引き起こす「のど」のトラブル

飲み込みには、首の動きが大きく関与し、首を動かしながら嚥下が行なわれます。

首の内部にあるのどは、その下に位置する咽頭で、胃へ続く食道、肺に続く気管に枝分かれします(図表2参照)。首が下がってしまうことにより咽頭が極端に狭くなり、呼吸や物を食べたり飲んだりすることがしづらくなってしまうのです。

さらに、咽頭の下に位置する声帯も狭くなってしまうため、声を出しづらくなるなど、のどに深刻なトラブルが起きてしまいます。

ところが頭が下がると、水や食べ物がそのまま下に流れていかないだけでなく、飲水や食事の際の首の動きが悪くなり、あごがのどを圧迫するようになるため咽頭が狭窄します。そのため、食べ物が誤って肺に入る誤嚥が発生したり、むせやすくなります。手をあごに当てて食事をしなければならなくなることもあり、そのような場合は水分にとろみをつけるなど食べ物の工夫や、のどのリハビリが必要になってきます。