子どもを抱えて働く女性がまだ少ない現状
どんなに働きがいがあっても、女性にはキャリアの中断を避けて通れないライフイベントが待ち構える。産休・育休までにキャリアを築いても、職場復帰後に停滞することも。しかし、女性の働き方にこそ早期抜擢システムが合うと、藤本さんは語る。
「20代後半でライフイベントを迎える女性が多いのなら、それまでにリーダー職を経験しておけばいいだけ。事業責任者だったり、マネージャーだったり、いろんな経験をしておけば、職場復帰したときの即戦力になります。だからといって、そこに男女差はありません。男女共に早期抜擢を前提に、20代後半までに何かしらのリーダー職を経験できる環境になっているだけなのです」
社員の平均年齢は27歳。子どもをもつ社員は多くない。第2子育休中の赤木さんに様子を聞いてみた。
「入社3年目でエリアマネージャーに昇格したのですが、第1子妊娠中だったので、着任半年で産休に入り、1年半で同部署、同役職に復帰。22年春から第2子の産休に入りました。第1子のときも今もキャリアの中断に不安はありませんでしたし、第2子は4歳差を望んでいたので予定どおり。仕事のためにプライベートを犠牲にする気はありませんでした」
自分の選択でキャリアを築いていけるというのだろうか。「産休に入る前に私の仕事を認められてよかったと思っています」と赤木さん。仕事もプライベートも理想をかなえているようだ。また、赤木さんの夫もグループ会社の社員で、現在、3カ月間の育休中。第1子誕生後、赤木さんは夫と時差出勤していたので、仕事と育児の両立に困ることはなかったそう。コロナ禍で、世間では家庭と仕事の両立のためにリモート勤務を望む女性社員は多いが、同グループでは「出社したほうが成果が出せる」と、多くの社員が出社を希望するそう。