「好き」を仕事にするのは簡単ではない

特にシニア層は定年後に「ライフワーク」を求める傾向にありますが、これは決して、誰かから与えられるものではありません。上司から与えられた仕事をこなすだけの能力ではなく、自ら創造し、提案し、付加価値を与えられる業務スキルがなくては、「ライフワーク」を実現することもできなくなっていくでしょう。果たして自分のしている仕事はどちらなのか、今から理解しておくことが大切です。

むしろ、それを考えていないこと自体がリスキーだと悟ったほうがいいかもしれません。

この作業こそが、「人生100年時代」の働き方におけるポートフォリオ制作として、後々重要になってくるからです。「ライフワーク(LIFE‐WORK)」をつくるための方法もちろん、「好きを仕事にする」が簡単ではないことは、私も重々承知しています。家族がいるのに、「ライスワーク」を投げ出して、「ライフワーク」に一気にシフトすることもできません。子どもの教育費がかかる時期に、自分の一存で仕事を変えることに躊躇する気持ちも理解できます。「分かっちゃいるけど、そこまで思い切ることはできない……」というのが多くの人の正直な感想ではないでしょうか。

「ライフワーク」疑似体験としての副業

そこで私がお勧めしているのが、「副業」です。「ライスワーク」は今のまま続け、「ライフワーク」を探すための疑似体験として、副業をする。それは同時に20年後、30年後の自分の選択肢を増やすための下準備ともなるでしょう。自社以外の、様々な世界を垣間見て、自分のスキルがどこまで通用するのかを確かめてみるいい機会に、「副業」はなるはずです。

プログラミング言語の概念。システム工学。ソフトウェア開発。
写真=iStock.com/metamorworks
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では、副業も難しいという場合はどうすればいいでしょうか。

「忙しくてそんな時間ないよ」
「本業でも溺れそうなのに、このうえさらに副業なんて、それこそ家族との時間がなくなってしまう」
「副業をしているなんて上司に知られたら、嫌味を言われそうだ……」

など、家庭や職場の事情もあるでしょう。

しかし、そのような中でも、なんとか「ライフワーク」を探し出してほしいのです。