パートナーを病院に連れていきたいときは

こんな方法もあります。

和田秀樹『ぼけの壁』(幻冬舎新書)
和田秀樹『ぼけの壁』(幻冬舎新書)

たとえば、夫が認知症と思われる場合、妻が「私、最近もの忘れがひどいので、病院に付き合ってくれない?」というのです。そして病院に着いたら、「一人じゃ心細いから、一緒に診察を受けてくれない」と夫にも受診をうながすのです。

では、そのようにして、医者に連れていくとき「何科」を受診すればいいのか? ――近くに、もの忘れ外来、老年科、精神科、脳神経外科、神経内科、高齢者専門病院などがある場合は、むろんそれらの病院で、専門医の診察を受ければいいでしょう。

一方ない場合は、高齢者の場合、遠くの専門病院まで通うのは大変だと思うので、まずは地域医療に熱心な開業医の先生に相談してみるのが、現実的な選択になると思います。

専門医でなくても、「認知症の疑いがある」かどうかは判断できます。その医師が、認知症の疑いが濃いとみれば、信用できる「もの忘れ外来」や老年科、神経内科などをすすめてくれるはずです。

和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医

1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」