通院やブログが心のよりどころに
――通院するようになって、精神状態はどのように変わりましたか。
病院に行く前、6月末のいちばんつらいときには、こういうしんどさが永遠に続くように感じて、これから良くなるというイメージが全く湧きませんでした。このしんどさを終わらせるためには、死ぬことも選択肢の一つなんじゃないかという考えも、うっすら出てくるんです。症状がひどくなると、それがどんどん前に出てくる。
受診したことは、もちろん「少しでもよくなりたい」という気持ちもありましたが、それよりも「このしんどさを1人で抱えるのは終わりにしたい」という気持ちが強かったです。
実際、病院に行き始めてからは、「今晩は薬があるから眠れるはず」「今はしんどいけど、来週病院に行くから、その時に相談しよう」と、薬があることや相談できる場所があることが心のよりどころになって随分楽になりました。7月、8月ごろは、まだまだ日中かなりつらくなる時があったんですが、そのおかげでそこまで闇落ちしないでいられるようになりました。
ブログは支えに、しかし攻撃する書き込みも
――昨年7月には、ご自身がメンタル不調であることをブログで公表されました。
仕事の関係者や普段から応援してくれる人に、何も言わずに急に活動が滞っていることに罪悪感もあったのでブログで公表したのですが、結果として1人で抱えきれないものを吐き出すことができて、楽になりました。それに、ブログを読んでくださった方からたくさんの温かい言葉をいただいたのも、大きな支えになりました。そういうこともあって、「死んで今のつらさを終わらせる」という選択肢は、時間とともにどんどん後ろの方に下がっていきました。
病院も、ブログという自分の居場所も、ブログを見てくださった方からの温かい言葉も、大きな心のよりどころになり、本当にありがたかったです。
メンタルヘルスの不調にいちばんこたえるのは、孤独や孤立でしたね。でも、私の不調を知ったたくさんの方が「本当にいつでも大丈夫なので連絡ください」「24時間いつでも話を聞きますよ」と言ってくださって、その言葉に本当に救われました。
とはいっても、特に夜になると孤独や不安を感じてふさぎ込んだりするんですが、やはり「夜中に電話するのはさすがにな……」と躊躇します。でも、「いつでも話を聞きますよ」と言ってもらえていると、「いざというとき頼れる人がいる」と思うだけで救われますし、実際に話を聞いてもらったこともありました。孤立や孤独からの逃げ道をつくっていただいて、本当にありがたかったです。
一方で、SNSの怖さも改めて感じました。心無い書き込みをしてくる人もいました。僕の場合は、普段からSNSで絡まれることも多いので、公表する時には多少覚悟はしていましたが、やはりダメージは受けますね。ただ、それ以上に、本当に多くの方が心配してくださって、温かい言葉に助けてもらいました。
※編集部註:初出時、SNSの書き込みについて事実と異なる内容がありましたので修正しました。2023年1月27日10時30分追記