1食の糖質は350キロカロリーに
一見すると正しいバランスのようにも見えますが、仮にこの食事を1日3回食べた場合、1食あたりのカロリーは700キロカロリー程度になり、その半分の350キロカロリーが糖質となります。
350キロカロリーの糖質量は90グラム程度になるため、3食食べたら1日約300グラムの糖質を摂ることになります。
300グラムの砂糖を想像すればわかると思うのですが、これだけの糖質を摂ることがバランスいい食事とは、どうしても思えません。糖質制限食の考え方では、糖質の摂取は1日100グラム以下が目標になるため、いかに多い量かわかるでしょう。
そもそも一汁三菜という考え方は、室町時代の武家社会の本膳、つまり一の膳、二の膳、三の膳と順番に膳に載せた料理が提供されるスタイルが由来になっているそうです。
一般的には、「これだけ長い歴史のある食事スタイルが体に悪いわけがない」と考えられると思うのですが、そもそもおもてなしの食事が発祥ということを考えると、健康を目的とした食事というよりも、満足感が高い食事という意味合いが強いといえます。
しかもこの食事スタイルは、日常的な食事というより特別な日の食事で、当時も日本人全体がそのような食事を習慣としていたわけではないようです。
白米は茶碗3分の1杯が限度
私自身は、ご飯を「主食」と呼ぶことに大きな違和感を抱いています。
主に食べるべき食材を主食というべきであり、ご飯はあえて食べなくてもいい食材なのです。タンパク質や脂質のように、生理学的に食べなければ生命に支障がある栄養素ではないからです。
ただ、明日からいきなり「主食を食べなくていい」「ご飯を減らしなさい」といわれても、受け入れられないのは理解できます。
もし主食のご飯が必要なら、許容量を考えながら食べるのがいいでしょう。ご飯一杯150グラムには53.4グラムの糖質が含まれるため、この一杯ですでに体の糖代謝は大きく乱れます。
インスリンが追加分泌される糖質量は、おおよそ30グラム以上とされているため、それ以下に抑える必要があります。おかずにも多少の糖質が含まれることを加味すると、1回の食事で許容できるご飯の量は3分の1杯、つまり50グラム程度と考えます。