好きな部下、嫌いな部下で態度を変える上司
私は企業の産業医を務めていますが、最近よく相談を受ける「迷惑上司」には2タイプいます。
一つ目は「人の好き嫌いが激しい」上司です。
人の好き嫌いは、誰にでもありますが、部下をマネジメントする立場の人に、極端な好き嫌いがあると問題です。
気に入っている部下には自分からあいさつをするけれど、そうでない部下だと、あいさつされても反応が薄かったり無視したりする。好きな部下には自分から積極的に話しかけるけれど、そうでない部下には話しかけない。
さらには、気に入っている部下には重要な仕事、注目されている仕事を任せ、そうでない部下には面倒な仕事ばかり割り当てる。仕事の評価についても、好き嫌いで左右させてしまいます。
ささいなきっかけで突然「嫌いな人」認定
こうして、ふだんから好き嫌いがわかりやすく出る上司は、今まで「好き」だった人でも、急に「嫌い」になることがあります。
Yさんという方から、こんな相談を受けたことがあります。
Yさんと上司は、それまでは仲が良く、コミュニケーションも良好だったのに、ささいなことで上司が激高し、それ以降、態度が急変したそうです。
何が引き金になったのか聞いてみると、ある時Yさんが、頼まれた仕事を「今手いっぱいなので難しい」と断ったのだといいます。Yさんいわく「地雷を踏んでしまった」と。
それで、これまで築いてきた関係性が崩れ、Yさんは上司から「嫌いな人」認定されてしまったわけです。しかもその上司は、以前Yさんの案を採用して進めていたプロジェクトを、いろいろと理由をつけて突然却下し、ほかの人の案に変えてしまいました。