岡田克也副総理が右手首に「お守り」の白いヒモをつけている。5月初めに訪問したスリランカの寺院で巻いてもらったものだ。
「最大の願いは社会保障と税の一体改革を成し遂げること。そのためのお守り代わり」(岡田氏)だという。
税と社会保障の一体改革の鍵を握るのは、消費増税法案の成否。岡田氏は訪問先のスリランカの寺院で法案成立に向けて願掛けし、験担ぎのヒモを僧侶に巻いてもらった。
「願いが成就するまで自分でヒモを取ってはいけない」という僧侶の指示を守り、法案成立まで外さない決意という。
岡田氏は5月19日、母校の東大で講演し、消費増税法案について「どうしても、この国会でやらせていただきたい。野党の皆さんも反対一辺倒ではなく、最後は必ず成就できる」と説明。
法案に反対を表明している小沢一郎元代表についても「採決には賛成していただける」と話したが、実際のところは、法案成立の目途はまったく立っていない。
「それどころか、衆院で消費増税法案の採決をしたら小沢グループが造反して法案は否決される可能性大。首相は辞任か衆院の解散・総選挙に打って出るしかなくなる。それを避けるために、国会を延長し採決を先に延ばしたとしても、成立の見込みはない。いずれにせよ、消費増税法案は成立せず、野田内閣は野垂れ死にだ」(小沢グループ議員)
もし、そうなると岡田氏はこの先ずっと、手首のヒモを外せないことになるのだろうか。そもそも法案審議中に、ふとした弾みでヒモが切れてしまうという縁起の悪いことが起きたらどうするのだろうか。汗や垢にまみれてヒモが汚れることもあるはずだ。
だが、岡田氏周辺によると「心配は無用」だとか。「実は、岡田氏はスペアのヒモを2本、もらってきている。切れたり、汚れてみっともなくなったらコッソリつけ替えるつもりなんです」
ずっと同じヒモを身につけているからこそご利益があるはず。せっかくの願掛けも、スペア付きではご利益半減。それとも、最初から法案成立は無理と諦めているのかもしれない。