「私のことをわかってくれる人だ」と理解してもらう

私は鑑定で相談者の話を聞く時、「なるほど」と受け止めるゆとりをもつことを大事にしています。

というのも、悩みが深ければ深い人ほど、心に余裕がなくなっているからです。

相談にやってくる方の多くは、できるだけ早く問題を解決したい……と気持ちが急いています。ですから、最初のうちは口が重くても、自分の抱えている悩みを打ち明ける段階になると、早口になってきます。

それは、話していくうちに早く相手に理解してもらいたい、受け止めてもらいたい、否定されたくない、という思いが溢れ出てくるからです。

そこで、私が「なるほど」と言っていったん話を受け止めると安心します。

その上で、「つらいですよね」「それは大変でしたね」と言うと、相談者は「この人は私の話をわかってくれる人だ」となり、打ち明けモードから、こちらの話を聞くモードに移行していきます。

このようにゆったりと相手の話を受け止めることが、互いの信頼関係向上につながり、相談者は「アドバイスを聞いてみよう」と心を開くようになるのです。

ポジティブな印象を残す「話の受け止め方」

こうした心の変化はなにも占いだけに生じるものではありません。

普段の暮らしでも、話す人のペースをゆったり受け止め、その内容をしっかり聞く人は、相手にとって頼れる上司や先輩、話しやすい友人として、安心できる存在となっていきます。

この小さな気遣いや心配りが、人間関係の深まりや広がりにつながり、その人の運気をいい方向にもっていくのです。

逆に矢継ぎ早に自分のことばかりを話す人、早いペースで相づちを打ち、会話を自分のペースにもっていく人、大きな声で場を圧するような人は、自己中心的な性格が相手に伝わってしまい、ネガティブな印象を残すことになります。

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つまり、運のいい人は、相手のペースに合わせて相づちを打ち、相手の話を受け止めてから自分の話をするのです。

もし、あなたが運気を上げたいのなら、まずは相手の話を受け止める練習をしましょう。

相手の話が終わらないうちから、被せるように自分の話をしないことです。

相手の話がひと区切りついてから、相手の話すペースに合わせて自分の話をする。

これだけであなたの印象は変わり、運気アップへの道が開かれていきます。