キモくてお金のないおっさん問題

社会的弱者といったときに、障害者や外国人はよく知られている存在ですよね。

でも、世の中には名前がついていない弱者もたくさんいます。

たとえば、キモくてお金のないおっさんのように、誰にも見られなかったり、そうなったのは自業自得だろうという見られ方をしている人たちは多いです。

そういった苦しんでいる人たちが社会に牙をむかないようにするためには、どうしたらいいのか。

僕は、彼らを普通に暮らせるようにすることが正解だと考えています。

たとえばベーシックインカムのような形で、働いているかどうかにかかわらず毎月お金を配って、せめてホームレスでなくて食と住は確保できるようにする。不幸な人をできるだけ減らすという形にしたほうが、まだいいと考えています。

仕事以外で居場所がつくれない社会

今の日本で思い込みや思想に染まって事件を起こす人って、友だちや話し相手が少ないケースが多いんですよね。孤独な人が自分の妄想を凝り固めていって、「きっとこういうことなんだ」と決めつけて、それを何とか変えなければと思い込んでしまう。相模原の事件や京都アニメーションの事件の犯人も、自分の妄想が真実だと思い込んでしまった。

でも、もし社会との接点があって、誰かに「こう考えているんだけど」と話したら、「いやいや、それ違うよ」と言ってくれた人がいたはずなんです。

会社に勤めている人でも、じつは職場以外で話し相手がいなくて、土日はずっと家にいるという人は少なくありません。そういう人は仕事があるから、かろうじて居場所があるんですけど、今の社会って仕事ぐらいでしか居場所がつくれないんですよね。なので、できるだけ社会の中で、仕事以外の形の居場所をつくるべきなんです。

たとえば、部活動の指導って今は学校の先生がしていますが、別に近所のおじさんが野球やバスケを教えてもいいですよね。塾をNPOのような形にして、無料で小学生に算数を教えるとか。お金をとるとなると高いスキルが要求されますが、無料なら高いスキルはいらないので、手伝ってくれてありがとうとなるでしょう。

ベーシックインカムのような形でお金を配れば、月謝を取らなくてもスタッフは食べていけますし、子どもに勉強を教えていれば親や社会との接点もできます。そういう形で、ちゃんと社会に役割をつくるべきだと思うんです。