「体の運動」と「頭の運動」の掛け合わせで頭が冴える

前回の記事で移動と読書の掛け合わせは生産性が低いことも紹介しましたが、「ながら作業」が生産的な時間の使い方になるケースもあります。

代表的なのは体の運動と頭の運動の掛け合わせです。体が動いていると頭も冴えてくるというのは、多くの人が経験的にわかっていることでしょう。専門家の間でも30分の適度な有酸素運動は抗うつ剤と同じ効用があるとも、頭でほかのことを考えているほうが運動の疲労感や苦痛を感じづらく、運動負荷をキープできるとも言われています。

なので私は、ランニングマシーンで走りながらスマホを見たり、オフィスでバランスボールに座ったりと、頭を使うことと体を使うことを組み合わせるようにしていて、お互いが効果を高め合っていることを実感しています。

自分がどういう環境だと生産性が上がるのか、ということもちゃんと把握しておいたほうがいいでしょう。

睡魔に襲われることなく読書で学習効果を上げる方法

私は、人の目がないとすぐ眠くなってしまうタイプです。だから、なるべく人目のある場所で作業したほうがいい。ただ、人の話し声があると気になって集中できません。なので、たとえばカフェで何かの本を読むなら、フロアの真ん中の席に座り、好きな音楽をイヤホンでボリュームを小さめにして聞きながら読む。すると読書に没頭できます。

私は30歳まで読書が苦手でした。部屋で一人で読んでいると睡魔に勝てなかったのです。そこでカフェで読書するようにしたら、格段に学習効率が上がりました。

カフェに座って、彼女のノートボクからノートを読む学生
写真=iStock.com/FreshSplash
※写真はイメージです

体と頭を掛け合わせる「ながら作業」もそうですが、こういうちょっとした工夫だけで、生産性に差がつくと思います。

適度な「休息時間」は体力や集中力を回復させて生産性を上げますが、だらだらと休んでいたら生産性は逆に下がります。なので、休息の質を高めて効率的に気分転換などをすることが大事です。これは同時に、休息時間が削減可能な時間であることを意味します。