会社員のメリット「組織の力」を最大限活用する

会社の業務以外でも、スマホに四六時中、誰かから連絡が入るし、チャットツールであっても、メンション(宛先指定)をつけられたら「すぐに返さなければいけない」と、プレッシャーがかかります。コミュニケーションのチャンネルが増えて、ひとつの作業に集中しようと思っても、途中でじゃまが入りやすい状況です。

これも集中力を細切れにさせていて、ストレスや疲労感の原因になっていると思います。コロナ禍の影響でリモートワークが普及したために、こうした状況はさらに悪化しているのではないでしょうか。その対策としても「チェックの時間を限定する」というのは、会社のメールに限らず有効だと思います。

信用を育む、あるいは時短=中身の充実という意味でも、会社員は優位な立場にあると思います。

既存組織の力と言ってしまえばそれまでですが、ベンチャーはゼロから組織も事業も立ち上げます。一方、何十年も活動している会社は、たくさんのリソース(資源)を持っています。

「苦手な上司」も考え方次第でプラスになる

また、そこに勤めている人の多くは、何かのプロフェッショナルでもあります。そういう会社のネットワークから学べるものは、そこにいるうちは当たり前で自覚しにくいのですが、じつは、いったん会社を離れたらなかなか手に入らない貴重な資産です。

荒木陽介『「お金を生む時間」のつくり方』(朝日新聞出版)
荒木陽介『「お金を生む時間」のつくり方』(朝日新聞出版)

どんどん活用すべきでしょう

たとえば、そりの合わない上司との付き合い方も、会社を出たらなかなか経験できません。フリーランスなら「そんな人は相手にしない」で終わるだけです。なので、苦手なタイプを克服するよいチャンスと捉えて、むしろ積極的にかかわり、上司に動いてもらうノウハウを学んだほうがよいわけです。

上司ともめたらもめただけ余計な時間がかかります。しかし、そんな時間でも「何事も経験」と思ってプラスに活用していくマインドがあれば、濃密になるし、それで良好な関係が築けたら時短にもつながります。

そりの合わない上司に限りません。基本的には無駄な時間は何もないのが会社員なのです。

荒木 陽介(あらき・ようすけ)
サラリーマン投資家

不動産投資を中心とした国内外の様々な資産形成を実践するサラリーマン投資家。1977年生まれ。大学卒業後、広告会社に入社し、営業目標を達成し続ける(40歳のとき、最年少で部長に昇進)。38歳で始めた不動産投資ではたった3年で総資産10億円を築く。現役サラリーマンと不動産投資家の二足のわらじを継続中。