自分に責任がないことまで背負ってしまう人も

後悔は、「自分は幸せだと思う」「自分の生活に満足している」などの主観的な幸福感と負の相関関係がある。仕事、教育、家族・結婚、友人関係、趣味、自分自身、健康のことなど後悔している未達成の目標や出来事が、現在の自分の生活に大きく影響していると考えている人は、生活満足度が低く、体調不良などの健康状態が悪く、抑うつ傾向が高い。高齢者は、若い人よりも、それら未達成の目標を、今から達成できる可能性は少ないと考える傾向もある。

後悔し続けることは、生活に対する満足度を下げ、心身ともに悪い影響を及ぼす。特に後悔をし続けている高齢者の人たちは、注意が必要である。

さらに問題なことは、人は非常に大きな予期せぬ不幸な出来事に見舞われたとき、たとえそれが自分にはどうしようもないことであったとしても、その出来事を自分のせいだと感じてしまい、大きな後悔を感じる場合があることである。

たとえば、自分の子供が通学中に暴走した車に轢かれて大怪我をしてしまった場合、「あのとき私が子供に車に注意するように言っておけばよかった」と自分を責めて、後悔することがある。実際、東日本大震災の被害者の遺族にも、「両親を自分の住むところに呼び寄せておけばよかった」「(被害に見舞われた場所に)進学・就職させなければよかった」などのように、震災前の時点では何の問題もなかったことに対して、自分自身を責めて後悔している人が多数いた。

このような後悔は、いつまでも心に重荷として残ることもある。そのためにも後悔は、何らかの方法で低減・解消する必要がある。

自分の死の間際に思い出す5つの後悔

自分の人生の終わりが近づいてきたとき、自分のたどってきた道を振り返り、いろいろなことを思い出すことだろう。いい人生だったと満足する人も多いが、その反面、大きな悔いを残している人もいる。私たちは、死の間際にどのようなことを後悔するのだろうか。

死を迎えるときの後悔には、主に「自分に正直な人生を送ればよかった」「働きすぎなければよかった」「思い切って自分の気持ちを伝えればよかった」「友人との連絡を取り続ければよかった」「幸せをあきらめなければよかった」の5つがあるとされる。このような後悔をしないためにも、自分自身の人生について、よく考えておく必要がある。