「PRESIDENT WOMANダイバーシティ担当者の会」第7回は、積水ハウス のダイバーシティ推進部長、山田実和さんをお迎えして開催しました。同社では、約15年間ダイバーシティ推進に取り組んだ結果、グループ全体でわずか15名だった女性管理職が271名まで増加。木下明子編集長が「社員が幸せになるダイバーシティとは」をテーマにお話を伺いました。

最初の1歩は「第一線で働く女性を増やす」

【木下】御社の女性活躍戦略がスタートした経緯をお聞かせください。

【山田】当社は2005年から女性営業職の積極採用を開始しました。将来、自社が多様な力を生かして成長していくためには女性の活躍が必要だという経営陣の判断に基づいたものです。翌年には経営企画部に女性活躍推進グループを設置し、ダイバーシティ推進方針として「女性活躍の推進」「多様な人材の活躍」「多様な働き方、ワーク・ライフ・バランスの推進」の3つの柱を掲げました。

【木下】女性活躍推進では、具体的にどのようなことに取り組まれましたか?

【山田】主に4つの施策を進めました。第一は女性営業職のキャリアアップ支援で、定着と育成、店長への登用などに取り組みました。第二は女性技術職のキャリアアップ支援で、職域の拡大をはじめ現場監督やスペシャリストの育成に努めました。いずれも、現場の第一線で働く女性の数を増やすことを目的としたものです。そしてこの母数が増えてきたところで、第三の施策として女性管理職の育成を、第四の施策として上司の意識改革を開始しました。特に仕事と家庭の両立支援においては、本人だけでなく上司や職場の理解も大切になりますので、制度整備や研修などを繰り返し実施しています。

【木下】さまざまな面から多角的に取り組んでいらっしゃるのですね。そうした取り組みに対して、男性から反発や女性からの戸惑いの声などはなかったのでしょうか。

積水ハウス ダイバーシティ推進部長 山田実和さん
撮影=小林久井(近藤スタジオ)
積水ハウス ダイバーシティ推進部長 山田実和さん