「Google検索は死にかけている」と題するブログ記事がアメリカで話題になった。Googleに一体何が起きているのか。AIビジネスデザイナーの石角友愛さんは「役に立つ生情報がTwitterやInstagramなどで投稿されるようになり、Googleの検索結果にユーザーから不満の声が上がり始めた。Googleはネット社会の変化に対応する必要がある」という――。
Google Pixel 3 XLでグーグル検索しようとしている人の手元
写真=iStock.com/Riley Shot
※写真はイメージです

情報の濃い「生情報」にたどり着けない

今年2月、アメリカで「Google Search Is Dying」(Google検索は死にかけている)と題したIT系ブログ記事が話題となりました(※1)

※1:DKB「Google Search Is Dying

この記事のポイントは、「広告」と「SEO」の蔓延でGoogle検索の質が低下し、ユーザーの「Google離れ」が起きているというものです。

ユーザーはどこに不満を抱いているのか。それは、なにかを調べたいと思ってGoogle検索をしても、上位には情報の薄い「まとめ記事」が出てくるばかりで、体験談やレビューといった「生情報」にたどり着けないという問題があるからです。

試しにグーグルで「トンカツ 新宿」で検索すると…

この傾向は、特に商品や店のレビューで顕著です。

例えば「トンカツ 新宿」と検索すると、最上部にはGoogleマップとそれに紐付く複数の店名とレビューが表示されます。その下に出てくる検索結果のトップは「食べログ」のランキング、次は「ぐるなび」です。さらにまとめサイトや有名店のホームページなどが続きます。

残念ながら、トンカツマニアのブログなど、トンカツ愛にあふれた個人発信の記事は1ページ目にも2ページ目にも出てきません。

グルメサイトやまとめサイトにも役に立つ情報はたくさんあります。それを求めている方もいるでしょう。また、グルメサイトの多くがUGC(ユーザーが情報発信をする形でコンテンツを提供しているサイト)の形態をとっており、例えば食べログではレビューを読むことで「生の情報」に触れることができます。

しかし、それらのサイトにはいくつもの広告が貼られ、サイト内のランキングの信用性やレビューの公平性には疑問も向けられています。著名グルメサイトでは人気レビュアーが人気店から見返りをもらっていたことが明らかになり、大きな問題になったこともあります。