ガソリン車や飛行機に乗るな、肉は食べるな…

まず、グレタ・トゥンベリ氏が創立者であるFridays for Futureが言っているのは、温暖化を今すぐに止めないと、異常気象に歯止めがかからず、地球はまもなく人間の住めない惑星になってしまうというもの。だから、人間が地球から自然を収奪するのをやめなければならない。

そして、世界の多くの人々がこの考え方に啓発され、「惑星を救う」ために連帯し始めた。彼らの行動を具体的に言うと、ガソリン車とディーゼル車に乗るな、飛行機や豪華船に乗るな、メタンガス発生の温床は酪農であるから肉は食べるな、新品の服は買うな。あるいは、石炭火力発電を即刻停止させろ。要約すれば、豊かさはもう要らないということか。

渋滞している高速道路
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地球上には、飛行機はもとより、ガソリン車にも乗れず、肉も食べられず、新品の服も買えず、火力発電所どころか電気なしで暮らしている人が、14億人もいるのだそうだ。また、まきなどで調理や暖をとらなければならない人が30億人。呼吸器に対する健康被害は膨大だ。豊かな国の子供たちとは別世界の話だ。

過激派グループは刑務所行きも辞さない

一方、同じ環境団体でも、少し違った目標を掲げるグループもある。彼らに言わせれば、現在の気候危機は、人間が地球から自然や資源を搾取したのではなく、先進国がその他の国々から富を収奪してきた結果なのだ。つまり、それに対する対策は、先進国による発展途上国への援助。つまり、国連の理念と同じである。国連のグテレス事務総長が以前から気候危機を強く訴え、また、各種環境運動を高く評価し、今回のCOP26の成果文書に対しても「十分でない」という評価を下しているのは当然の結果だ。

また、環境改善よりも、システムチェンジという政治目標が前面に出ている極左グループも多い。例えば2018年に英国で設立されたエクスティンクション・レベリオンというグループの抗議活動は非暴力的という触れ込みだが、ロンドン市内の交通の要所を占拠して市民の交通を10日間にもわたって妨害したり、デモよりも効果のある方法として、「400人が刑務所に行くべき」などと主張したり、すこぶる過激だ。

実際に2019年の活動だけで、1000人以上が逮捕されたというが、刑務所に行くためには、当然のことながら、それなりの罪を犯さなければならないことは自明の理。ちなみに、抗議活動のパフォーマンス時に彼らが着る真紅の衣装がメチャクチャ怖い。

ドイツ・ベルリンで行進するExtinction rebellionのメンバーたち
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※写真はイメージです(ドイツ・ベルリンで行進するExtinction rebellionのメンバーたち)