伸びる人は不便をチャンスにするが、凡人は不満を漏らす

不便だな、困ったな、面倒くさいな、値段が高いな、などと感じたことがビジネスチャンスになるということは、昔からずっと言われてきたことです。しかしそれを、本当の意味で実践できている人は多くないでしょう。

たとえば深夜のショッピングチャンネルを観ていたら、ルームランナーが激安価格で売っていた。運動不足だから、これを買って運動しようかな。

そこで立ち止まって、自分が会社からの帰宅後に毎日走るという姿をイメージしてみる。疲れて会社から帰ってきた後でもやるだろうか。単調に走っているだけで景色も変わらないのに、続くだろうか。壁に向かって淡々と走っている自分……なんかむなしい……。きっと退屈し、飽きるだろう。そして購入意欲が失せ、テレビのチャンネルを変える。

ここまでは「賢い消費者」としての判断です。不要な買い物をしない、企業のカモにならないためにも必要な姿勢です。

消費者目線で終わらず、さらにその先を考える

しかし優秀な人は、さらにその次を考えます。

そのルームランナーで自分がそう感じるということは、きっと多くの人もそうやって挫折するだろう。ではどうしたら続けられるだろうか。

たとえば3Dゴーグルをかけて走ると、ジャングルや秘境を走っている映像が出るシステムを考える。方向を変えると映像も方向が変わり、走るスピードを速くすると、映像が流れるスピードも速くなる。あるいはアドベンチャーゲームにしてもいい。

空や宇宙を飛んでいるような映像、洞窟を探検している映像、川下りをする映像が、ジョギングとともに動けば、きっと楽しく続けられるのではないだろうか……。

そうやって、仕事だけではなく何事に対しても不便や不満の解決策を考える姿勢は、問題解決思考そのものです。

それだけではなく、洗濯ネットなど主婦の発明品の多くは日常の不便を解決したものであることを考えると、ビジネスチャンスにもなるということがわかります。