厚労省が掲げる“不適切な質問”13項目
実は不適切な質問はそれだけではない。就職差別につながるおそれがある質問・選考方法として厚労省は以下の13項目を挙げている。
<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること(注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること
<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
<c.採用選考の方法>
・身元調査などの実施(注:「現住所の略図」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)
・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施
確かに本籍・出生地や家族に関することを面接で聞くのは誰もがおかしいと思うだろう。昔、お堅い企業が興信所を使って身元調査をしたり、実家暮らしではない女子学生を採用しないという差別もあったが、今もやっている企業があるのだろう。2020年度に不適切な採用選考に関するハローワーク調査(797件)では「家族に関すること」が46.9%で最も多く、次いで「思想」(13.1%)、「住宅状況」(10.9)となっている。