「将来どんな人になりたいか」もNG
以下は大阪労働局が例示している「聞いてはいけない」具体的な質問例だ。
・あなたの両親は共働きですか?
・あなたの家庭はどんな雰囲気ですか?
・あなたは転校の経験がありますか?
・あなたの信条としている言葉は何ですか?
・尊敬する人物は誰ですか?
・あなたは、自分の生き方についてどう考えていますか?
・あなたは、今の社会をどう思いますか?
・将来、どんな人になりたいですか?
思想・信条に関わるものとして「人生観」も聞いてはいけないという。しかし、人生に対する向き合い方を尋ねるのは人柄を知るのに役立つ。また「あなたは、自分の生き方についてどう考えていますか?」「将来、どんな人になりたいですか?」という質問は、キャリア観に通じるものがある。いわゆる就活の「面接本」に出てくる定番の「あなたにとって働くことの意味は何ですか」という質問との違いも微妙だ。
自分から家族のことを話す学生もいる
親の職業や家庭の質問はタブーだといっても、前出の髙橋副社長は聞きたいと思う人も多いのではないかと語る。
「幼少期の経験は人格形成に大きな影響があるのも事実。両親との関わりも少なからずその人を作っている部分であり、本音で言えば入社後にでも知りたいと思う。しかし、信頼関係ができていない相手から質問を受けると、何でそこまで聞くのか、と反応してしまう。ただ、お互いに知りたいという面接をしていれば親の職業や生まれ育ちなどの話が出ることもある。ここは差別の問題と、面接合否を決める『自社とのマッチング』という難しい問題だ」
定番の質問に「今まで苦労したことは何ですか。それをどう乗り越えましたか」というのがある。学生の中にはサークルやゼミの活動以外に、家族に絡んだ話を始める人もいるかもしれない。この場合「趣旨を応募者に説明し、これらのことについて話す必要はないことを一言伝えてください」(大阪労働局)と言っているが、事前に準備してきた学生からすれば聞いてほしいと思うだろう。