“喜劇王”チャップリンも勧める「俯瞰してみる力」
②未来を、その結果を前向きに想像して解釈する
もう一つの解釈は現状の先にある未来、つまりは結果を想像して解釈するやり方だ。
肩の力を抜いて、先へ先へとポジティブに思いを巡らす。
たとえば「恋人と別れる」だとこのようになる。
恋人と別れる→独り身になる→その先にはきっと新しい出会いの機会が生まれる→「この人だ」と心の底から思える人に出会える→「運命の人と出会うためのステップ」
こんな風に「別れた」からはじまる前向きな未来を想像してみよう。
思考の働かせ方として「その結果、どうなるんだろう?」と、とにかくこの先を考えてみる。不安や心配事が心の中で暴れている時は、その対象にくっついてしまいそうなほど、どんどん近づいてしまうけど、そういう時こそむしろ離れる。
突然ですが、ここでクイズ。
地球上で、もっとも大きな「影」は?
このクイズの答えを知った時、物事を俯瞰して見ることで、いかに新しい見方を獲得できるかを思い知った。
クイズの答えは、「夜」。
太陽が沈んでから、昇るまでの時間。太陽の光が当たらない夜は、地球の影だ。
「どうしよう?」と思う時こそ、ぐぐっと目線を引いてみる。
チャップリンが「ロングショット」と言っているのはきっと「俯瞰して物事を見てみよう」というメッセージでもあると思うのだ。
俯瞰するための8つの言い換え例
この方法における、8つの言い換えを紹介していく。
大学がずっとリモート講義だ→クラスメイトとの待ち合わせが楽しみだ
原稿の〆切を抱えすぎている→たくさんのゴールテープが待っている
もう25歳→25/100
期限付き臨時職員(残り2年)→730日チャレンジ
10年後、私の会社ないかも……→今は会社の新しい未来創成期
色々やりすぎて身になってないかも→今は社会科見学中だ
田舎から上京。都会で生きていけるか不安→シンデレラのプロローグ
こうして未来に引っ張る力がある言葉の連打を受けると、励みになる一方で「強がりでしょ!」と感じる人もいるのではないだろうか。
先に伝えておきたいのは、鬼軍曹のごとく竹刀を振り上げて「前向きに生きよ!」と言いたい訳ではない。
不安や心配事に向き合う時間だって特別だ。そこに浸る時間があることで、味わえる感情だってある。人の痛みを想像できるようになるし、心の機微を捉えられるようになるのだと思う。
未来を向く考え方、選択肢があるのだと知ってもらえたらと僕は思っている。