いじめ体験とそこから再生したきっかけを2分間で語る。この動きは世界中のテレビ局に広がり、大きな反響を呼んだ。このたび、2分間に収まらなかったインタビュー内容が『FACES いじめをこえて』(KADOKAWA刊)として書籍化された。同書より、小中高一貫教育の学校で壮絶ないじめに遭ったTOMOKOさんの体験談をお届けする――。
出所=NHK「FACES]プロジェクト

いじめが始まると抜けにくい「一貫校」地獄

お昼休み、いつものように、一緒にお弁当を食べている子たちに加わろうとしたら、みんなが、ふっと違うところへ行ってしまったんです。そのとき、ひとりの子が振り向いて、ちょっと申し訳なさそうな顔をしました。その顔は今もはっきりと覚えていますね。それまで仲の良かったグループから始まった無視は次第に広まり、クラスのほとんどの子から口をきいてもらえなくなりました。中3の終わり頃のことでした。

小中高一貫の学校だったので、高校でも状況はそのまま。学校に行っても、誰とも口をきかないで帰ってくる毎日でした。クラブ活動でも、活動日を私だけ教えてもらえなかったり、絶対にできないようなことを押しつけられ、失敗すると、みんなの前で非難されるということが繰り返されました。