バブル破裂前の過熱相場になっている
アメリカの株式市場は、おそらくコロナ前にすでにバブルだったのだろう。約10年、株価は上昇し続けていたが、これは歴史上にない現象だ。それがバブルの定義という訳ではないが、バブルの症状だったことは確かである。
そのままいけば、20年連続で株価が上昇してもおかしくない状態だった。コロナ直前には、何があっても毎日、株価が上昇する銘柄もあった。最近になって再び、何銘柄かが何があっても上昇し続けている。
よってコロナ前のバブルにはすでに小さい穴が開いていたかもしれないが、いまだ破裂はしていない。そして私は、最近の相場こそがバブルの破裂前にやってくるいわゆる「過熱相場」だろうと思っている。
株式市場が長い間上昇して、資金が大量に流入すると、株価が急上昇して相場が過熱するケースが多い。
例えば、1989〜90年の日本株や99年のアメリカ株がそうだった。ナスダック株式市場は、99年の時点ですでに数年にわたり上昇していたにもかかわらず、最後の6カ月でさらに倍増した。これが過熱相場である。
今がまさに株式のバブルかもしれない。世界の中央銀行が紙幣を大量に刷っており、市場に資金が大量に流入している。日本銀行の総裁もできるだけ早く紙幣を刷り、その資金で債券、ETF(上場投資信託)を買って相場を支えている。
日本株は最高値を更新する可能性
日本株は過去最高値から40%以上も落ち込んでいたが、このままいけば、最高値を更新する可能性すらある。こういうと驚く人が多いだろうが、その可能性は十分にあると、私は考えている。
アメリカ株もバブルがもっと加速するかもしれない。コロナウイルスのワクチン、あるいは治療薬が発表されたら、すべての相場が過熱してもおかしくない。強い高揚と大量の資金注入を受け、すさまじいバブル相場になる可能性は非常に高い。
すでに景気は底打ちしている。そして長期間にわたり、改善するだろう。空港にフライトが少しでも増えれば、ゼロよりは改善したことになる。
そして必ずと言ってもいいほど、過熱した「バブルの末期」には暴落が待っている。相場過熱時には、勢いで買いが入り、上昇しているというだけで買ってしまう人も出てくる。歴史をさかのぼれば、この買い方が功を奏したことは稀だ。
もし、短期的なモメンタム売買(相場の勢いや方向性を判断する売買)のベテランだったら大丈夫かもしれないが、大半の投資家は火傷を負うことになる。私はモメンタム売買を一切しない。