インデックスに投資をするほうが確率的にも勝ちやすい

――日本の働く女性は、今投資やお金についてどんな対策を取るべきでしょうか?

ジム・ロジャーズ『大転換の時代』(プレジデント社)
ジム・ロジャーズ『大転換の時代』(プレジデント社)

ETFなど、インデックスに投資をするほうが確率的にも勝ちやすいというデータがある。私自身も日本株についてはETFを買っている。私よりお金を持っている日銀がETFを買っているからだ。

情熱を持って投資先のことを詳しく調べられるのであれば個別株もよいだろう。私は投資をするときに、自分がよく知っている分野に投資すべきだと言ってきたが、それは在宅中に自宅で頻繁に運動をしているから、オンライン・エクササイズ関連会社の株を買うという程度の知識ではない。もっと詳しく調査してからでないと投資するべきではない。

実は私は、ほとんどの時間、ただ座って相場の動きを見ている。何もしないことが最も重要な時期ということもあるのだ。投資で成功するには、徹底的に調べて、あとは長期的に待つという忍耐力が大切なのだ。

また、日本の将来を考えると、英語や中国語など語学の勉強をして、海外に目を向けることも重要だろう。こうした危機の時こそ現実から目をそらさず、少なくとも世界と市場に何が起きているかをよく調べて見守るべきなのだ。

インタビュー=モンラッシェ・キャピタル社 シニア・バイスプレジデント アレックス・南レッドヘッド 構成=花輪陽子 撮影=原 隆夫

ジム・ロジャーズ(Jim Rogers)
投資家

ロジャーズホールディングス会長。1942年、米国生まれ。イェール大学で歴史学、オックスフォード大学で哲学を修めた後、ウォール街で働く。73年にクォンタム・ファンドを設立し、ヘッジファンドという手法にて莫大な資金を運用して財を成した。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び世界三大投資家と称される。『大転換の時代』(プレジデント社)、『世界大異変』(東洋経済新報社)など著書多数。