12月に『若者たちのニューノーマル~Z世代、コロナ禍を生きる』を出版したマーケティングライターの牛窪恵さんは、10年以上前に『草食系男子の取扱説明書』を執筆した頃とは若者の価値観が様変わりしていると指摘。中でも特に驚いたのは、男子たちの美意識の高さだと言います。
学校でスマホを使用する男子生徒たち
写真=iStock.com/ferrantraite
※写真はイメージです

母親に肌荒れの相談をする男子高校生たち

「ねえ、お母さん(お父さん)、最近、肌が荒れて困ってるんだけど」……。皆さんは、お子さんから、そんな相談を受けたことがありますか?

ここでいう相談者(お子さん)は、女性でなく「男性」。年齢は、おもに高校・大学生、いわゆる「Z世代」のイメージです。

ファーストシェービングシリーズ(写真提供=パナソニック)
ファーストシェービングシリーズ(写真提供=パナソニック)

2020年3~8月、私はZ世代を中心にした16~27歳の男女130人に細かな定量アンケートを取り、一部の方々にオンラインでも取材しました。

そこから見えてきたのは、Z世代の、まさに「ニューノーマル」な生き方。普段の生活だけでなく、仕事観や恋愛・結婚・出産観、動画・SNSの利用シーン、そして両親や祖父母、友達との関係性なども、驚きの連続でした。

詳しくは新刊『若者たちのニューノーマル~Z世代、コロナ禍を生きる』に譲るとして、今回は、7月に発売された話題の新商品「ファーストシェービングシリーズ」(パナソニック)をもとに、イマドキの若者・Z世代の美意識とコンプレックス、そして「親ラブ族」と私が呼ぶ、親御さんとの密接な関係性についてご紹介しましょう。

イエローをつくった理由

同シリーズには、「フェイスシェーバー」と「ボディトリマー」の2種類があり、「2種とも、黒と青のほかに、明るいイエローをカラーラインナップに加えました。SNS映えへの意識と共に、ヒゲやボディヘア(体毛)を剃る(整える)のが「恥ずかしい」と考える若者たちに、シェービングのポジティブなイメージを伝えたかったからです」と、パナソニック ビューティ・パーソナルケア事業部の米田共余さん。

「ファーストシェービング」という品名の通り、同シリーズのメインターゲットは、高校・大学生の男子(Z世代)、すなわち人生で初めてヒゲや体毛を剃るような男子です。

彼らは男友達に「お前、ヒゲ濃いな」などと言われてコンプレックスを抱いていたり、自分自身で「キチンと手入れできていないと、清潔感がないよな」と感じていたりする、と米田さんは言います。