最新の温室効果ガス排出量は「12億4000万トン」

下に掲載した「図表1」は、環境省が2020年4月に発表した「2018年度(平成30年度)の温室効果ガス排出量(確報値)<概要>」から引用したものです。なお「確報値」とは、「国連の気候変動枠組条約事務局に正式に提出した数値」という意味で、2018年度の確報値が最新のものとなります。

我が国の温室効果ガス排出量(2018年度確報値)
我が国の温室効果ガス排出量(2018年度確報値)

経済の「浮沈」と温室効果ガス「排出量」の相関関係

図表1を見ると、ここ十数年の日本の経済社会の歩みを思い返すことができます。

2009年度に棒グラフがいったん下がっているのは、2008年のリーマンショックの影響により国内の経済活動が縮小・停滞したことが主な要因です。そのため、経済が回復すると、温室効果ガスの排出量も上昇に転じています。

2013年度に14億1000万トンと、過去最大の排出量となったのは、2011年の福島第一原子力発電所の大事故を契機として日本中の原子力発電所の稼働が止まり、その代替役を火力発電所、とりわけCO2の排出量が多い石炭火力が担ったことが主な要因です。

2014年度以降、年数パーセントずつ排出量は削減され、2018年度は12億4000万トンと、日本国内での基準年度となる2005年度と比較してマイナス10.2%、過去最大の排出量だった2013年度と比較するとマイナス12.0%を達成しています。

このまま順調に削減対策が進んでいけば、温室効果ガスの排出がゼロに近づいていくのではないかと、国民に期待を抱かせるグラフになっています。