大ヒット作『鬼滅の刃』の魅力の一つは、各キャラクターの力強いセリフです。心理カウンセラーで、『「鬼滅の刃」流 強い自分のつくり方』の著書がある井島由佳さんが、その中でも理不尽に押しつぶされそうなときに効く言葉を厳選、解説してくれました。

※煉獄杏寿郎の煉は「火」に「東」が正式表記。鬼舞辻無惨の辻のしんにょうの点は一つのほうが正式表記。

リラックスできるソファーエリア
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並外れたレジリエンス

「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、わずか10日間で興行収入107億円を突破し、日本で上映された映画の中で最速の記録を出しました。そして、動員人数が790万人を超すという勢いは、コロナ禍の閉塞感を打ち破ってくれているように見えます。

鬼滅の刃』は“ブーム”となり正に社会現象を引き起こし、年齢・性別を問わず多くの人に感動を与える作品となりました。

鬼滅の刃』旋風を巻き起こした理由は幾つかありますが、物語の背景とキャラクターのセリフは要因の1つと考えられるでしょう。

新型コロナウイルス感染症がもたらした負のスパイラルは多岐にわたりますが、理不尽な状況にぶつかるという経験は、少なからず読者の皆さんが通ってきた道にもあったのではないでしょうか。

鬼滅の刃』の舞台は、鬼という大厄災が降りかかる理不尽極まりない世界。押しつぶされそうなとき、主人公の竈門炭治郎たちキャラクターは、自分や他者に働きかけ立ち上がっていきます。彼等は非常に強いレジリエンス(再起力)を持っているのです。レジリエンスを構成する要素(力)は、感情調整力、衝動調整力、共感力、楽観力、原因分析力、自己効力感、リーチアウト力(働きかけ力)です。

力強いセリフの中から、レジリエンス(再起力)を学べる7つを紹介します。